私が大学生の頃の体験です。私の地元は田舎でした。若者にはありがちな「都会への憧れ」で、都会への大学を受験し、合格しました。初めての一人暮らしでわからないことばかりですが、何とか生活していました。特にマンションの隣室の奥さんには時折差し入れや、旅行に行ってきたおすそ分けをいただいて親切にしてもらいました。奥さんはお笑い芸人の「クワバタオハラ」のくわばたりえさんに似ていました。関西弁ということも似ていましたが、あまりきつい印象はありませんでした。お子さんも2人いるらしく、上の子は小学校、下の子はこの間生まれたばかりだそうです。旦那さんもいい人で、朝に行き会うと声をかけてくれていました。(この後は便宜上りえさんと書きます) ある日の昼過ぎ、私が部屋でレポートを作っていると、りえさんがやってきました。 りえさん「ねえ、ちょっと家に来ない。おいしいお菓子があるのよ」 私「はあ、いいんですか。お子さん嫌がりませんか。」 りえさん「大丈夫。今は寝ているから。上の子は学校に行っているし」そういうわけでりえさんの部屋にお邪魔しました。 玄関に入るととてもいい香りがしました。リビングには子供の写真やおもちゃが置いてあります。「いい家だな」と、ふと自分の実家を思い出しました。 |