底なし 13 奥さんが肛門奴隷って

前回はこちらへ 浩一郎も、私をあくまでも緊縛の対象として、そして彼が大好きな肛門開発の対象として見ていたのだ。きっと、奥さんを大事にし、彼女のアヌスには指一本、触れていないかもしれない。 智世は赤ワインを浩一郎に注いでもらい、それを口に含んだところだった。ゆっくりと味わって飲み込む。「おいしい。で、明雄はどう思うの?」「どうって……」「沙和ちゃんがこの人と浮気している。縛られてお尻をいじられている。それだけじゃないのよ。顔こそ出していないけど、こんな映像をネットに上げて、この会員の人たちは沙和ちゃんのことをみんな知っているのよ。そうよね、沙和ちゃん」「ええ、まあ」 三回目からは、浩一郎はカメラマンとして会員の男を連れてくるようになった。四回目には、その男とアナルセックスをするところを浩一郎に撮影された。五回目には、浩一郎とその男と二人に同時に挿入された。「二穴同時」とタイトルをつけて会員たちに見てもらっている動画は、そのときのものだ。そして、その動画が三脚に固定したカメラだったこともあって不十分だと判明し、六回目にはもう一人増えた。「三穴同時」はそのときのもので、前半はより濃厚な二穴同時で、後半は三穴の輪姦となる。浩一郎たちは順番に入れ替わっていったのだ。コンドームに溜まったザーメンをグラスに入れて飲み干したのもその時がはじめてだった。 こうなると、もはや浮気どころではない。 それは私にもわかっていた。アダルト向けの映像のように、商業化されていればそれなりの収入にもなったかもしれないが、浩一郎たちはすべて無償であることを前提にしていた。「おカネを取ったらおしまいだよ」と浩一郎は言っていた。 智世はそれが理解できない。「バカじゃないの。そんなのある? 騙されているんだよ、沙和ちゃん」 私は彼女を説得したことはなかったのだが、しばらくして智世も諦めたらしく、金銭についてはそれ以上、とやかく言わなくなった。「ある意味、タダでもいいからやっているって、ヤバイよね」 そんな言い方をするようになっていた。 しかし、私はこれを仕事にしたり、対価を求める行為にしたいと思ったことはまったくなく、好きだから、したいから、していた。ホテル代や飲食代やいろいろな器具、撮影機材などの費用はそもそも浩一郎たちが持っている。私は体だけ。この体を沼に沈めていくのは、私の勝手。「彼女が、やりたいことなら……」 明雄はふいに、そう言った。「ん? なんだって?」と智世は口の中に、チーズとゴマのたっぷり入った焼き菓子を詰め込んでいた。「これ、ワインに合うんだって、ホントだよ」と言いながら。「へえ」と浩一郎もそれに手を出す。「彼女がやりたいことなら、やらせてあげたいけど……」「けど?」 思わず私も智世も同時に言っていた。「ぼくのことをどう思っているのかな、と思って……」 なんかズルイ。自分の気持ちを出す前に私にふるなんて。「どう思ってるの、沙和ちゃん」「ホントだ。すごく合いますね」 浩一郎は手が止まらない。「でしょ。こっちアーモンド」と智世。「へえ」 私の答えをみんなが待っていた。 明雄が私の答えを待たずに焼き菓子へ手を伸ばす。浩一郎の指に比べて、太く短い。いかにも不器用そうだ。「明雄さんが許してくれるなら……」 私はボールをそのまま明雄に投げ返した。ほかになにも浮かばなかった。彼は私を許さない。そしてこの話はここで終わるのだ。 そうすれば私はただ一人、沼にずっぽりと沈んでいける。沙和子ではなく、肛門奴隷妻NEMとして生きて行く。もちろん、そのときはもう「妻」じゃないのだが。 そもそもなぜ浩一郎や会の連中はこんな名を私に与えたのだろう。NEMは私の選んだ名ではあるが、それも衝動的で当時、話題になっていた暗号通貨(仮想通貨)の名称で、日本の交換業者から五百何十億円分ものNEMを盗み出したというのだ。わからないことばかりのニュースなのだが(仮想のものを盗むってなんだ、と)、NEMの語感は可愛らしく思えて印象に残っていた。「許すって……」 明雄は呟いた。「許すってどういうことなんだろう。ぼくにはよくわからないんだけど……」「そりゃそうよね。奥さんが肛門奴隷って。あり得ないわね」 智世は赤ワインをグビグビと飲んでいる。「そういうことじゃなくて」と明雄がちょっと力強く言葉を吐いた。「どういうこと?」と浩一郎。明雄にワインを注いでやる。「不思議と、沙和子の映像を見ても、嫌いにならなかったんです。なんか、スゴイなって思ったんです。なんだこの世界は、本当なのか。こんなことってリアルにあるのか……」「うんうん、それで」と智世も身を乗り出す。「マンガとか同人とかならあるかもしれないけど、現実って、ぼくの周りにある現実って、ぜんぜんそんなことないじゃないですか。異次元にも行かないし、ハーレムもないし。アマゾネスもいないし。宇宙にも行けないし。いまの会社に辿り着いて、はじめてぼくは社会というかリアルというか、そういうものも悪くないなって思いはじめたのです」 そのあげくに、彼は放り出していたセックスを取り戻したのだろうか。「それに、やけに彼女がまぶしくて、色っぽくて、たまらないのです」「うわあ、のろけられちゃった」と智世は笑うのだが、浩一郎はむしろ真剣になり「うん。それはわかる」と言う。「緊縛や肛門開発は間違いなく、沙和子を美しくしている」「ですよね!」 男たちの同意は、私にとっては驚きでしかなかった。それに、とても怖いことだった。 待って明雄、そういう判断ってホントに怖いから。★美魔女狩り 我妻千鶴子編1★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへアマゾンkindle版はこちらへ「美魔女狩りシリーズ」2番目の標的は人気コメンテーターの母娘。大物政治家と結婚していた経験を持つ千鶴子は、娘の咲を人質に取られ、交渉のために秘密クラブへ。すべてが罠であるとも知らず必死に奴隷になりきろうとするが、過酷な排泄管理をされ、恥辱にまみれる。★美魔女狩り 我妻千鶴子編2★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへアマゾンkindle版はこちらへ美貌と直言で人気のコメンテーター我妻千鶴子を奴隷にする……。藤木の野望は目の前で崩れそうになっていた。果たして逆転できるのか? 淫美な映画の撮影、千鶴子の策略、奴隷タレント契約……。我妻千鶴子編の完結です。今日のSMシーン好色なマゾ麗奴かわいひかる3,500円~